「暑さ寒さも彼岸まで」。3月と9月、お彼岸は年2回ある。
それぞれ春分の日、秋分の日を中日とした前後3日間、
計7日間がその期間。どちらも中日はうれしい祝日だ。

春分、秋分の日は「この世とあの世が最も近く通じやすい日」で
この日に西に向かって拝むと、功徳が施されると信じられた。
(ちなみに西が阿弥陀如来、東が薬師如来なんだそうだ)
そこでその日に先祖供養を行い、仏壇やお墓を掃除し、
悟りの境地に達するのに必要な
6つの徳目=六波羅蜜(ろくはらみつ)を習得(修行?)した
…んだそうだ。(なんだか難しくなってきた)


この世の苦しみや煩悩から逃れ悟りと安らぎの境地に至ることを
サンスクリット語でパーラミター、これが訛って波羅蜜多。
「六波羅蜜」とは、この世に居ながら彼岸に至るための
6つの修行のこと。お彼岸とは、先祖に感謝を捧げるだけでなく
この世に生きる私たちが
この六波羅蜜を実践する期間でもある! 厳粛なのだ。
布施(ふせ)=人に施しを与えること
持戒(じかい)=戒律を守り、省みること
精進(しょうじん)=つねに努力すること
忍辱(にんにく)=苦しくても耐えること
禅定(ぜんじょう)=心を落ち着かせること
智慧(ちえ)=真実を見る目をもつこと
この6つの徳目(六波羅蜜)を実践することで私たちは
浄土に到達できる人になれる!!(宗教っぽくなってきたぞ)

ん?『浄土』って?…
五濁(劫濁・煩悩濁・衆生濁・見濁・命濁)や
地獄・餓鬼・畜生の三悪趣が無く
仏や菩薩が住む清浄な国土=浄土。清らかな世界。

彼岸を直訳すると「彼の岸へ渡る」。
「悟りを開く」「成就する」という意味もある。
三途(さんず)の川を挟んだ向こう側は、仏様の世界。
その境地に達するために六波羅蜜のような教えを学ぶ。
ちなみに彼岸に対して現世は此岸(しがん)と呼ぶのだそうで。

あ~、キリなく深い。右から左に通り抜けてアタマに入らないが
お経を聴きながら日常とちがう世界に触れるのは
まんざら悪くない。
春分の日、秋分の日は、季節の変わり目で最適な行楽気分だが
ふか~い仏教の教えが潜んでいるんですね~。合掌。
ここ数年で那古寺ご住職と接する機会がふえて
かすかに興味が湧いてきた、遅咲きの稲毛でした。