大江戸琳派ないって。

尾形光琳の燕子花図屏風を見た。
圧巻の総金地6曲1双屏風。
遠景の右隻と近景の左隻によりダイナミックなパノラマが広がる。
両隻合わせると幅が7mを超える巨大絵画である。

色数は極めて少なく、背景の金箔を除けば紫と緑のたった2色だ。
したがって緻密に描かれているわけではない。どちらかといえば、まとまった花のパーツをコピペして、リズミカルにスタンプしたような作品である。
しかし、この絵の何が凄いかといえば、
背景が金一色で塗られ(貼られ)、地面も水面も空も表現されていないにも関わらず、臨場感のある風景として見えてしまうことだ。
できることなら、部屋の壁の一面をこの絵にしてみたいものだ。

根津美術館では、毎年、庭園の燕子花が咲く時期に合わせてこの絵を堪能できるという。
庭に燕子花があったからこの絵を所蔵しているのか、この絵を所蔵しているから燕子花を植えたのか定かではないが、ここで見る燕子花図屏風は格別だと思う。

この美術館はエントランスから秀逸だ。

 

ここは本当に青山なのか。

家元があるわけではなく俵屋宗達に私淑した画家たちによって引き継がれてきた琳派。
リスペクトする先人の技術を取り入れながらも個々のオリジナリティを爆発させるという。いわば、当人たちが自覚しない、なんちゃって流派というところが魅力であり、その感覚は現代のベンチャー精神に通ずるものなのかもしれない。