イテーヨ イテテーヨ

小雪の舞う寒い朝。
ゴミを出そうとマンションの階段を数段降りたところで
足を滑らせて背中から落ちてしまった。
起き上がろうとするが仰向けのまま体が動かない。
足は動いた。手も動くし首も頭も動く。しかし胴体がどうにも動かない。

困った。
世間体も気になる。
この状態で誰かに出くわすのはとてもマズい。
半端ない寝癖にダウンの下はパジャマ。そしてブーツといった風体である。
たとえゴミ出しと言えども何が起こるかわからない。
やはり髪を整えスーツに革靴で行くべきだ。

20〜30分かけてなんとか起き上がる。
左脇から背中にかけて激痛が走り呼吸もままならない。
痛みで気を失いそうだ。

数時間後、ある程度痛みが治まったところで医者に診てもらった。
骨折である。
背中側の肋骨が2本折れていた。
レントゲン画像を見ると、弓形の骨が鋭く割れており、
変な方向に体を捻ろうものなら
槍のように尖った肋骨が背中から飛び出してきそうだ。

骨の太さから推測して1cm〜2cmほど折れて離れているのだが
数週間で自然にくっ付くという。
笑いながらそう伝える医者に不安を覚えたが、大した怪我ではないということだろう。
しかし肋骨骨折の治療に手立てはない。
鎮痛剤を処方されるのみである。
ひたすら痛みに耐えて完治を待つのだ。
骨を折った後の生活の方が骨が折れそうだ。

2週間が過ぎ、
未だ起き上がる時は難儀だが、かなり痛みは緩和している。
いつのまにか少々の咳にも耐えられるようになった。

折れて離れた骨がどう繋がるのか。
楽しみだ。